2014.11.14~15

11/14
実家で一晩過ごしたらまた出発。
実家に腰をおろさない僕に呆れ顔をしている両親、
ふたりに笑顔で手を振って朝イチで大阪に向かう。
関西方面へ行くのは久しぶり。
移動中の景色をゆっくり眺めながら
懐かしい気分に浸ろうかと考えて電車に乗ったのだけど、
心地よい列車の揺れに強烈な眠気をもよおして
殆どの時間を寝て過ごした。

昼過ぎに大阪に到着して元職場に挨拶に伺う。
懐かしい人たちと顔を合わせるのはなんだか嬉しい。
辞めたスタッフが居たり、
結婚して名字が変わったスタッフが居たり。
変わったことの新鮮さと、
変わらないことへの愛着が同時に感じられた。

その後は僕がクライミングを始めるきっかけになったジム、OCSへ。
多い時で週に5日通っていた場所。
休みの日は朝から弁当を持って。
仕事でくたくたになっても重い足を引きずって。
雨の日には水たまりを踏みながら、
冬の風に身をすくめながら。
何度も足跡をつけた道を約半年ぶりに通る。
感傷的になることはなく昨日来たかのような気分でいたけれど、
ジム前の赤い外壁が視野に入るとぐっとくるものがあった。

前日に「明日ジムに行きます」宣言をしたら、
話を聞きつけた友人たちがわざわざ足を運んでくれた。


みんな、ありがとう。。

ずっと頑張ってる人は目に見えて強くなってるし、
ジム通いが遠ざかってる人も『昔取った杵柄』が光る瞬間があって面白い。
飲み会ならぬ登り会、
体がよれよれになるのと反比例して心が元気になる。
登れないないことへのショックもあるけど、
それ以上に楽しいって感覚に満たされて幸せな時間だった。


重くなった自分の体をもてあます…


修理をお願いしていたチョークバックも手元に戻る。
アイコさん、ありがとうございました!


11/15

クライミング仲間のサトミ姉さんとクラックスへ。
久しぶりのリード。

サトミ姉さんコツコツと続けていた成果が出てました。
宿題のRPおめでとうございます!

僕はというと、
久しぶりのリードクライミングの感覚に飲まれ気味。
力が入りすぎてパンプも早くて、
10aでもOSを逃したりする有様。

よく分からないけど、
10台〜11a/bまで同じくらいに難しく感じた。
今のライフスタイルにもう少し慣れたら、
本腰入れてリハビリしなくては!


尾川智子さんともお会いしました。

ここでも知人・友人との再会を堪能、
楽しい関西遠征です。



2014.11.11~13

10日の晩に松本へ戻り事務所の寮に宿泊。
11日から3日間、長野の遭対協の研修会があり
県警や民間の救助隊の方々と一緒に訓練する。

山岳会に所属していた時も定期的にある訓練に参加していたけれど、
今回は県警の山岳救助隊とご一緒できるとあってヤル気倍増。

県警ヘリの『やまびこ1号』も使っての研修


初日のヘリを使ったプログラムをすごく楽しみにしていた。
河川敷にあるヘリポートにヘリが入って来るのをみんなで迎え、
ホイスト訓練の手順についてのレクチャーを受ける。

そしていよいよ訓練!
って時にまさかの道迷いで救助要請がありヘリ出動。
楽しみにしていたホイスト訓練は中止となりました。
残念だけど仕方が無い。。
現場に駆けつけるヘリを皆で見送る。
(翌日、道迷いの方は無事に発見されました)

初日はヘリ中止→翌日の山中訓練のシステム確認
2日目は引き下ろし・引き上げの反復訓練
3日目はヘリ訓練
という内容だった。
久しぶりにシステムについての論議が出来て、
実り多い研修会になりました。
着陸するやまびこ1号

搭乗中、結構風があり揺れた。(けんちゃん撮影)


しかし、夕食後の懇親会で飲む酒の量が凄まじい。
日中の訓練が終わってからが本番なのか⁉︎

救助の第一線にいる県警山岳救助隊の方々とゆっくり話をするのは初めて。
登山者への安全の促しや問い合わせの対応、
今年起きた遭難事故対応の詳細を聞いていて胸が熱くなる。

とある隊員さんは御嶽山噴火の日は非番で、
友人の結婚式で栃木県に行っていたとのこと。
出動要請の連絡時に現状を報告すると、
「翌日の朝イチで帰って来い」との指示。
2次会は辞退して帰ることにしたそうだ。
楽しみな予定を中断して危険がある任務をこなさなきゃならないことの大変さは、
容易に想像できること。
「でもね、周りからは『大変な仕事』だけで片付けられるのだけど、
こういう仕事についているから見えてくる幸せもあるんだよね
「噴火があと1時間早ければ、式が始まる時間が違ったら
僕はその友人の結婚式に参加出来なかっただろう。
友人がこのタイミングで自分を招待してくれた事へのありがたさ湧いてきて、
目の前の時間をより大切に感じて過ごすことが出来るんだ」

2次会に参加できなかった残念さよりも、
披露宴に参加出来た喜びを大切にする感性は格好よすぎるでしょう。。
やはり救助隊って凄い!

2014.11.7~9

11/7
松本から東京へ。
下山会第2段でお台場の屋形船に乗船。


「下界で会うと違和感あるね」
とお互いに言い合いながら
船に揺られて揚げたての天ぷらに舌鼓。
満喫!満足!


11/8
大阪時代からお世話になっているご夫婦のお宅へ。
食べて語って、笑って飲んで、
心から寛がせて頂きました。
お二人と過ごす時間はいつも大きな体験として残る。
下山して置きっぱなしにしてた荷物を、
ようやく荷解きしたような心地がした。


11/9
開店時間の10時に秋葉原パンプへ。

「休日は激混みで思うように登れないから、
観光名所に行く感じで行ったらいいよ」
友人からそんな情報をもらっていたので、
朝イチで行けば登れるのでは!
と一番乗りを目指す感じで現地へ。
同じような人種がすでに来ていたが、
正午ごろまではストレスフリーで登れた。

リハビリ中だということも忘れて、
全盛期のときの感じでがっつり登っていたら
混み始めてきた頃にはすっかりワークアウト。
それでも楽しさに我を忘れて、
結局17時過ぎまで登りたおした。

途中で大学からの友人Aちゃんが合流。
久しぶりに連絡したらお互いクライミングをかじった事が判明。
数年ぶりの再会はジムという展開は面白い。

ジムのあとは大阪でのジム仲間、
ゾノさんとこよさんとの飲み。
それぞれ奥さんや友人も参加して面白いグループが出来上がった。
ゾノさんが教えてくれたお店の餃子が滅法美味くて、
嬉しい再会に弾みがつく。
最後にゾノさんと腕相撲して完敗。。
最近、負けがこんでいる。イカンな…

2014.11.6

昨晩実家に帰ってからゆっくりする間も無く、
洗濯&荷物の整理に追われる。

今週末は東京でいろいろな予定があるのと、
そのあとに県警主催の救助訓練に参加するので
それらの準備もしなければならない。

朝イチで2ヶ月ほど放置していた髪を切りに行って、
すぐに実家に戻り出発の荷作りをする。
昼飯の直前に作業終了、
「またしばらく家をあけます!」
とご飯を食べるなり両親に言い放って松本へ。
とんだ放蕩息子だこと^^;

松本で先輩と合流して、
一緒にカモシカスポーツのセールへ。
今度の訓練で役に立ちそうな装備を買い足した。
これで『やるべきこと』に追われる時間は終了!

晩は久しぶりにクライミングジムへ!!
壁を攀じるのはどれくらいぶりだろう?
クライミング用の筋力が落ちたのはもちろん、
オブザベをするイメージ力、
ホールドを覚える力、
意識した通りに体を使う力、、
いろんなことが出来なくなっているのがよく分かった。
3級には歯が立たず、
4級も一撃できない感じ。

それでも、入門者用のガバ課題を登るだけで心地よさを味わえた。
出来ないことにショックを受けるよりも、
『楽しい!』って感覚が圧倒的に大きい!

夢中になって5時間滞在。。

Fさんとも再会。
肘の大怪我をして2ヶ月登れなかったそうだけれど、
「復帰して2ヶ月、ようやく調子が戻ってきた」
と難しい課題をばんばん登っていて良い刺激をもらう。

折よくスタッフの笠原さんの【やさしめ】道場に参加できて、
動きを意識しながら登っていたら結構感覚を取り戻せたような気がする。

クライマーの友人たちと再会するまえに、
ちょっとはリハビリしておかなければ〜!
やっぱり攀じるのは楽しい。

2014.11.5

昨日の下山会は2時間の飲み放題の途中でダウン。
酒に弱い方ではないと思うのだけど、
新人への洗礼を受けて完膚なきまでに潰された。
飲み会の後半は殆ど便器を抱えて過ごした。

やっとの思いでトイレから這い出して来ると、
暴徒と化した同期に捕まり
罪人を連行するかのように荒々しく二次会会場へ連れ込まれる。
腹を空かせて怒り狂った虎の群れの中に
生身で放り出されたような二次会は日付が変わるまで続いた。
宴会に参加して体重が減るという初めての経験をした。

今日は松本の事務所に移動して最後の事務処理。
全体ミーティング、小屋ごとのミーティングをして
事務手続きをして解散した。
手続きが終わった人からパラパラと解散していく。

終わりはとてもあっけない。
僕も簡単な挨拶をして実家に帰った。
1年目のシーズンはこれにて終幕。


事務所裏の空き地にはなぜかタンポポが咲いていた。
吹雪にあった後のタンポポ、季節感が狂う。


事務所に『TV見ました、頑張ってくださいね!』
と知らない方から応援のお便りが届いていた。
ありがたい心遣いをいただいて嬉しい限りです。

2014.11.4

出発の朝、昨日の吹雪が嘘のように晴れた。

朝起きて使っていた寝具をブルーシートで包み片付けてから、
スタッフ総出で小屋閉め作業の仕上げにとりかかる。
ガスボンベの元栓を閉め、
電球を外し、発電機のバッテリーを外す。
冬戸を閉めて外からの光が差し込まないので、
山荘内は洞窟のように暗くなった。

ヘッドランプをつけてパッキングを確認、
左足から靴をはいて外に出る。


小屋前のベンチについたエビの尻尾


すっかり冬の装い


みんなで記念撮影(けんちゃん撮影)


8:30、揃って下山開始(けんちゃん撮影)


昼過ぎには上高地に到着。
槍グループの他小屋スタッフとも合流して、
今晩は平湯温泉の旅館に泊まって下山会。

新人は飲まされるとのウワサ。
心してかかります。

2014.11.3

昨日宿泊のお客さんに朝食を出して、
今年度の営業が終了。

チェックアウトのあとは客室の畳を外したり、
出入り口1箇所を除いた窓や戸に冬戸をつけたり。
午前のうちに大体の小屋閉め作業を片付けた。


正面玄関を閉じて『営業終了』の看板を掲げる

明りとりの窓も全部閉めたので、
日中でも室内は暗い状態に。

投雪機や小屋開けに必要な工具も受付前に準備

吹雪の中の外作業は厳しかったが、
滞りなく作業は完了。


昼頃でもー8℃だった

あとは明日の朝に仕上げをして、今年はおしまい。
あした下山します。

2014.11.2

今日が営業最終日。


こんな天気図なのでお客さんもわずか。

小屋の越冬準備や
来年の入山時にスムーズに小屋明けができるよう道具を準備する。
水道もクローズしたので、
あとはタンクに貯めた水を使って過ごす。

いよいよ大詰め、
下山まであと1日。

2014.11.1

玄関前で10cmオーバーの積雪。


今朝は気温が高め。
8時頃から雪は雨に変わった。
水を含んだ雪は滑りやすいし、
服を濡らして体を冷やすから外作業では難儀する。

僕はトイレ掃除の当番だったので最後に少し手伝っただけだったが、
みんなずぶ濡れになりながら冬戸をとりつける作業をした。

悪天候の3連休。
さすがにお客さんも少なくて、
みんな下山モードに切り替わっている感じだ。


静かな山荘

おのずと今シーズンを振り返っての話や、
下山してからの予定の話・来年度の話が会話のメインテーマに。

食後、長谷さんとマスターと飲んでいたら、
ふたりが入山前に松本で花見をした思い出話が飛び出した。
長谷さんちの近くの公園の高台から、
『咲き誇るしだれ桜の上に、穂高から白馬までの白い稜線が見える』
とっておきの場所があるらしい。

来年の4月10日、みんなで花見をしようという話がまとまった。
「冬はそれぞれ違う道を歩んで、桜の下で集う。
そこから槍ヶ岳を見ながら入山前に一杯やるってのは最高だよ」
とふたりが口を揃えて言う。
鬼も笑う予定だけれど、
そこに至る時間も楽しみを盛り立てる。

下山まであと2日。


気持ちよく酔っ払った白ひげ・黒ひげコンビ

2014.10.31

晴れているけれど風の強い1日。
朝仕事でボイラーと焼却炉の煙突を撤収。
寒風にさらされながらの作業で体が冷えたけれど、
少しこの寒さにも慣れたような気がする。

飛騨側から流れてくるガスが次々に谷へ吸い込まれていく

ボイラーと焼却炉を閉めたので、
お湯はいちいち沸かさないといけないし、
ゴミの処理もできなくなった。

日に日に小屋内のインフラが休止していく。
大きな生き物が少しずつまどろんでいるよう。
冬眠の準備が着々と進んでいます。

下山まであと3日。

2014.10.30

今日は最終ヘリの日。
越冬させる燃料を荷上げして、
スタッフは持ち込んだ私物を下げる。

僕の私物は入山時は10kgだった私物が下山時に約30kgに。
クライミングギアや本など、
休暇のたびに持ち込んだからだ。
来年からはもう少し必要・不要の線引きがはっきりすると思う。


集まって行くスタッフの私物


天気に恵まれて最終ヘリはスムーズに終了。

下山まであと4日。