2015.3.26

今週に入ってから氷点下の日が続いている。
この4日間の最高気温は−2℃
いちばん寒さの厳しかった時期から比べるとずいぶんマシになったけれど、
春の雰囲気が漂う中での寒さはどこかうまく受け身のとれないところがある。

今日は朝は−12℃と冷え込んだけれど、
日中は0℃まであがり日差しも暖か。
散歩日和なので休憩時間になるやいなや外出、
1時間半ほど外をぶらぶらした。


登山道わきには地面が見えてる箇所もあった。


今日は犬連れで入山している人が2組いた。
たまたま鉱泉前でその2組がすれ違い、
犬同士も挨拶を交わしていた。

穏やかな2匹、手前の柴はスポンサーにマムートがついているのだとか。

ここでの生活も残すところ3日となりました。

2015.3.24

赤岳鉱泉での仕事も残すところ1週間をきった。

今朝の気温は−12℃、
日中も−8℃までしか気温が上がらずに寒い1日だった。
今日が彼岸明けの日だけれど、
寒さのロスタイムがあと数日続きそうな感じだ。
寒いと食欲が増すのかお菓子のつまみ食いが増えて、
運動量が減るから困る。
休憩時間もストーブの周りでネットしたり本を読んで過ごした。


夕方ごろから雪も降り始める

春遠からじ、
寒さのぶり返しが大きいほど新しい季節を待ち遠しく思う。

2015.3.19

昨晩から雨が降り続いている。



昨日はHさんにビレイしてもらってキャンディで遊んだ。
日の当たる面がかき氷のようにグサグサになり、
今までとは勝手が違って登りにくい。
アックスが決まったかどうか判断つかないし、
足場はボロボロと崩れていく。
ハングもスムーズに越えられるようになって自信がついてきたところだったのだけど、
積み上げてきたものが打ち砕かれるような内容だった。

それでも、
僕の登りを見ていたガイドのMさんからたくさんのダメ出しをもらったのは収穫。

☆アックスは小指から打て
☆限界まで力を抜く感覚を覚えるには
☆アックスの決まり具合は音でも判断できる
などなど、
知ってるようで知らなかった技術を教えていただいた。

今日は復習をしたかったのだけど、
本格的な雨降りなので外出できずに残念。
気温も高いし、キャンディが一気に溶けないか心配。
暖かくなるのは嬉しいけれど、
とても名残惜しいことでもある。

2015.3.17

約10日ぶりの更新。
先々週の陽気で笑いかけた山が、
寒の戻りで眠りについた先週。
1週間ずっと太陽を見ることができず、
春を迎えようとしていた気持ちに寒さも堪えて
どこか腰が重くなっていたように思う。

先週は女子高生の遭難で始まり、
電気のトラブルもあり何かと大変だった。
天気が芳しくない割には平日もお客さんが多め。
みなさん、この冬を最後まで味わい尽くそうとしているみたい。
週末は行者小屋勤務だったのだけど、
今季いちばんの忙しさだったかもしれない。

打って変わって今週はまた春の気配が立ち込めていて、
今日の日中は小屋周辺で10℃をこえる陽気になった。
先週と20℃近く違うので劇的な変わりよう。
森の中に足を踏み入れると、
木の上に積もった雪があちこちで落ちる音が聞こえて賑やかだった。

今月は休暇を取らずに任期満了を迎える予定だったけれど、
今日があまりにも天気が良くて出かけたくなり
仕事も余裕があったので1日休暇をいただいて赤岳に登ってきた。


地蔵の頭から登ってきた地蔵尾根を振り返る


地蔵尾根を登る途中で、
ピッケルは持っているけど靴は冬用のタウンシューズを履いている登山者と遭遇。
装備がしっかりしていたらなんでも無いような道の上で、
決死の登山をしていた。
こういう人が増えるのも春が来た証拠だという。
ヘリが飛ばなかったから無事に下りられたのだろうけど、
「よかった、よかった」にならない煮え切らなさがある。


タウンシューズの足跡
足跡というよりスリップ痕か。。
左右に1mずれれば致命的な滑落になりかねない場所である。
命がけにならなくてもいいところなのに、ね。


ともあれ、今日は眺めも良くて気持ちの良い登山日和でした。

帰りに中山尾根の取付きまで寄り道して、
夕方ごろにキャンディでも遊んで。
思いっきり体を動かしてリフレッシュ。
今季の鉱泉勤務も残すところ12日。
ラストスパートです。

2015.3.6

今日のミッションは雪かきと歩荷。
朝掃除のあと昨日の屋根の雪下ろしで埋まった裏口を掘り起こして、
雪の大谷のような通路を作る。
ただの雪かきならわけない作業なのだけど、
屋根の上でできた分厚い氷盤が入り混じっているため作業は難航。
このあと、歩荷で運ぶ荷をここから搬入するので
安定して歩けるようにしっかりと階段も作らなければならない。
想定してた倍の時間がかかってしまい、
作業完了してスコップを置くや否や歩荷の準備をして出発。
集合時間に間に合わせるために小走りで下る。
こういう日に限って重めの下げ荷があり、
ペースを上げづらい。

入山組は予定より30分早く集合場所に着いたみたいで、
道中で荷上げ歩荷隊とすれ違った。
「今回、残っている荷物が多いよ。頑張れるだけ頑張って」
ただの申し送りだけれど意味深に耳に残るセリフを残して、
みんなは先を行く。

予定してた待ち合わせ時間ちょうどに倉庫に到着。
すぐに残っている荷を物色。
生活雑貨系は置くことにして、
生鮮野菜を全部背負子に括りつけた。
間違いなく過去最高重量。
背負って立ち上がるのにも苦労する重さだった。

序盤から厳しかったけれど、
荷を解いて重量調整をするのも面倒くさかったので頑張ることにした。
重さは覚悟していたのだけど、
肩の締め付けで腕が上がらないため、
額から溢れる汗がふけずに目にしみて痛いのが辛かった。

小屋に到着して重さを計ったら61kgあった。
背負子が3kgほどあるので、
初めて自分の体重以上を担いで行動したことになる。
鉱泉について荷をおろしたとき、
ちょっとした達成感を感じた。

Tガイドが先日撮った歩荷中の写真をプレゼントしてくれた。
ピンクのウェアもなかなかサマになっているような?

2015.3.5

天気が良かったので、
昼からの休憩で大同心稜を森林限界を抜けるところまで散歩した。


間近に見る大同心

4年ぶりの光景
当時ご一緒した人のひとりは身罷られ、
ひとりは入院中。。

タイムカプセルを開けたかのように、
風景が人とのつながりの思い出を鮮明に蘇らせてくれた。


夕暮れせまる阿弥陀岳

以前訪れた時は朝日に輝いていたなぁ。
電波のいいところまできたので、
事務所に用事の電話を入れてから下山。

先週末の雪でトレースが乏しくて、
良いトレーニングになった。

2015.3.4

週末にヘルプに入ってくださるHさんと、
アイスWCクライマーのNさん、
Nさんの友人2名が日帰りアイスをしに鉱泉にやって来た。
折りよく今日は昼から休憩をもらっていたので、
キャンディ遊びの仲間に入れてもらった。

仕事を終えてキャンディに着くなり「登りなよ!」
とNさんのビレイで登らせてもらう。
世界クラスのクライマーに確保してもらうと気合いが入る。
序盤のハングもスムーズに越えられた。
鉱泉スタッフとして恥ずかしくないレベルの登りはできたと思う。

ホッとしていたら地面にギリギリ届かないところでロワーダウンが止まり、
流暢なイントネーションで「take2」と言われる。想定外の事態。
キャンディの高さに慣れたのか1本登るだけなら殆どパンプしないけど、
2本連続だと急にパンプしてきて余裕が無くなる。
レストしながら何とか登りきって、
いよいよ地上へ帰還!と思いきや「take3」の声。
握力が抜けアックスを握れなくなってきて、動きも雑になる。
どうにか登れたけれど、
今シーズン一番のパンプに見舞われた。


Nさんの華麗な登り。
メットの日の丸が格好いい。

時間の無いなか仲間に入れてもらえて嬉しい限り。
ありがとうございました!


2015.3.2

週末は行者小屋。
鉱泉で催されているアイスキャンディカップの手伝いに
臨時スタッフが数名ヘルプに来てくれた。
行者小屋にもひとりヘルプが入り3人体制で運営できたので、
いつもより随分と負担が少なくスムーズに仕事が進んだ。

今日は早起きして一時下山。
松本で行われる東邦航空主催の物輸講習会に参加してきた。



講習会のあとの懇親会ではいろんな山小屋の小屋番と話ができて、
楽しく充実した時間になった。

入山禁止となっている御嶽山の五の池小屋のスタッフが、
今年は徳本小屋にスタッフとして入ると聞いた。
シーズン中はほとんど関わりのない小屋番同士だけれど、
連帯感や親近感が自ずと湧いてくる感覚っていいね。

晩は穂高勢と3次会、日付が変わる直前まで飲み語った。
明日はまた朝イチで山に戻ります。

2015.2.25

午後の休憩時間に大同心大滝まで散歩をした。
快晴で春めいた陽気。
日差しは強いけど、雪温は低めか。

雲ひとつない晴天、
正面に見えるのは小同心


大同心大滝が見えてきた。
この景色は4年ぶり。


滝の直下まで足を運ぶ。
上部からそら豆くらいの氷の粒がパラパラと降ってきていた。

まだ雪崩や崩壊があるには時期が早いと思うけれど、
気持ち悪いので早々に退散する。

朝の歩荷で50kgオーバーを担いでからの散歩。
少し疲れたけど、良い気分転換になった。