2014.6.23

今日は南岳でヘリ荷受けの仕事。

朝食を食べてからゆっくり準備して出発する予定だったけれど、
思ったより早くヘリが飛びそうだと連絡が入り急いで出発。
仕事を熱心に指導してくれる先輩のクニさんと、
南岳への道を急いだ。
クニさんはトレランもしているので、
途中引き離されながら必死の思いで後を追う。
中岳の下りはシリセードで。
平坦な道は駆け足で。
コースタイム3時間の道を50分ほどで急行した。

現場に着いて息を整えながら吹き流しを取り付けたり、
冬戸の小屋の玄関を開けたり荷受けが出来る準備をする。

準備中に夏毛のオコジョがひょっこりと現れて、
立ち上がってこちらの様子を見ていた。
作業がひと段落してカメラを持って近づこうとすると一目散に逃げて行った。
野暮なことをしちまった。

ヘリの荷受けはスムーズに終了。
30kgくらいずつ荷物を抱えて小屋まで20往復ほど、
午前のうちに荷物の搬入も完了!
残りの時間は冬戸を外したり、
小屋内の作業をして過ごした。


冬戸を外した厨房の窓の前にはまだ雪の塊がある

今日は南岳にお泊り。
ここに泊まるのはいつ以来だろうか。

休憩時間に長靴をはいて南岳山頂まで散歩する。
天気に恵まれて気持ちがいい。
少しだけ雪渓が残ってはいるものの、
稜線はほぼ夏道。


南岳山頂(3032m)から槍ヶ岳を望む


笠ヶ岳方面

季節の変わり目

春の息吹


夕方、無線の交信で獅子鼻の高台に登ると、
ちょうど日が傾き始めているところだった。
30分ほどでその場に佇んで日が沈むのをずっと眺めていた。



6:55無線交信前

もうすぐあそこと交信する

7:10、無線交信後

夕焼けに染まる大キレット〜北穂〜滝谷

夕日を眺めるクニさん
「こういうものが見れるから山はやめられねぇ」
僕もうんうんと頷く

双六、裏銀座方面


小屋の玄関前に戻って本日最後のシャッターをきった

日が深く沈んでくると稜線のシルエットが鮮明になり、
いよいよ沈むとふっと影が薄くなってむしろ明るく感じる。
遠くに広がる雲海が浮かび上がるように鮮明に見える。
一瞬の劇的な場面転換。

夕日を穏やかに眺められるのは幸せの証拠だと思う。