2014.6.5

本日、休暇最終日。
今日中に槍ヶ岳山荘まで行きたいところだけど、天気が心配。
朝イチのバスに乗り上高地に着いた時には雨が降っていた。
新緑が雨で潤って柔らかく光っている。
澄んだ森の香りがさりげなく漂い、せせらぎの音も穏やか。
梅雨入り初期の森はやさしい。


雨に潤う森

本当なら飛騨側から入山する予定だったが、
父からも祖父からも同じアドバイスをもらい上高地入山することにする。
飛騨側の方が早くに山荘まで上がることが出来るが、
夏道が露出し始めるこの時期の道迷いのリスクや、
悪天時のエスケープを考えるとやはり上高地ルートか。

ヘリ番で上高地入りしている先輩スタッフに横尾の手前まで送ってもらい、
横尾を過ぎて登山道に入る頃には雨も小康状態になっていた。
10:00過ぎに槍沢ロッヂに到着。
お茶休憩に混ぜてもらって10:45ごろ出発。
雨は完全に止んでいる。


ババ平の上部は雪渓がとけて川が露出していた。
スノーブリッジに注意して右岸を歩いていく。

昼食のおにぎりを頬張ってから、
空に立ち込める濃いガスに向かって歩き出した。


ガスの中は視界10mもない。
目印の旗を越えて数歩すすまないと次の旗が見えない。

自分は今どのあたりを歩いているのか分からないのは、
気が滅入ってくる。
進んでいる実感を伴わないので疲労感もたまる。

まっすぐ歩いているつもりでも右にそれていたり、
見知っている道のはずなのに知らない場所に来ているような不安感にも駆られる。

そろそろだ、と何度目に思ったかは数えていないが、
想像してたよりずっと遠くまで来て急に大岩の影が霧の中に浮かんだ。
あと少しだと居場所の見当がついて、
急に力が湧いてくる。

ザックを下ろし岩にもたせかけてひと休憩していると、
大岩の上にひょっこりと雷鳥が顔を出した。


大岩の上にいたつがいの雷鳥。
僕の様子を見に近くまで寄って来た。

少し元気を取り戻したのか最後の急斜面は一気に登りきる。
15:00すこし前に山荘到着。
今回は荷物の重かった前回よりも疲れた感じだ。


気温は3℃
下界との温度差は30℃、体調を整えて明日からまた頑張ろう。