朝日を受ける大喰岳
よく晴れた朝、下山日和!
朝5:30に山荘を発って、
飛騨沢を下りる。
稜線から300mくらいは夏道が出ていたが、
まだまだ急斜面の雪渓が残っていて歩きづらい。
夏靴を履いて、滑落停止用にピッケルを持って、
シリセードやグリセードで一気に下ろうと思っていたけれど、
スプーンカットされて氷板・クラスト・ザラメが入り乱れた斜面に悪戦苦闘。
程よいザラメの場所でシリセードし出せば、
氷板ゾーンに尻をめった打ちにされ、
グリセードし出せば急に加速したり減速したりで転がりそうになる。
飛騨沢の雪渓、下部
転びはしなかったけれど、
踏ん張り続けて膝がガクガク。
山荘への戻りは軽アイゼンでと考えていたけれど、
軽アイゼンだとまだ難儀しそうだ。
ピッケルはもちろん必携。
夏道ゾーンに入ると春が広がっていた。
四方八方からウグイスのさえずりが聞こえ、
生まれたての緑が目にやさしく飛び込んでくる。
数歩進むごとに緑が逞しくなっていき、
花も咲き始める。
足を進めただけ季節も進むよう。
ザックを下ろし、
昨晩作ったおにぎりを頬張りつつ今年最後の花見。
鳥の声が蝉の声に変わるころに長袖を脱いで衣替え。
下山してからやりたいことをあれこれ考えながら歩いていたら、
不意に目の前に人影が。
ひと月前に脳梗塞で集中治療室に入っていた父と、
7年前まで槍平で働いてくれていた山ちゃんが迎えに来てくれたのだ。
父の奇跡的な回復も嬉しいし、
静岡からたまたま父の見舞いに来てくれたという山ちゃんにも
約10年ぶりに会えて嬉しい。
ハイシーズン前の休暇、
心身のエネルギーをたくさん蓄えられそうです。