2014.3.18

縁あって6月14日から公開される映画『春を背負って』の試写会に行ってきました。
【公式サイト】http://www.haruseotte.jp/?type=fc


たまたまBARで東宝の社員さんと知り合いになり、映画のことを教えてもらって驚く。
なんと〈山小屋を継ぐ〉ストーリーとのこと!
ディテールは違うけれど、山に戻る境遇の僕と重なる部分があり興味津々。
休暇で下山した時に見ようと思っていたところ、
社員さんの粋な計らいでマスコミ向けの試写会に参加させていただく運びとなったのだ。

監督は『劒岳 点の記』監督・撮影した木村大作

【以下、物語のあらすじを引用】
立山連峰で山小屋“菫小屋”営む厳格な父(小林薫)に育てられた長嶺亨(松山ケンイチ)。
社会人になった亨はそんな父から遠ざかるように金融の世界で、会社の歯車として毎日を過ごしていた。
そんなある日、父の訃報が突然届く。帰郷した亨の前には気丈に振る舞う母(壇ふみ)、その姿を沈痛な想いで見守る山の仲間たち、そして見慣れぬ一人の女性・高澤愛(蒼井優)の姿が。彼女は心に深い傷を負い、山中で遭難しかけたところを亨の父に助けられた過去があった。
父が遺した菫小屋と、父の想いに触れた亨は、都会での生活を捨て小屋を継ぐことを決意する。
山での生活に悪戦苦闘する亨の前に、父の友人と名乗るゴロさん(豊川悦司)が現れる。世界を放浪してきたゴロさんの自然に対する姿勢や愛の天真爛漫な笑顔に接しながら、亨は新しい自分の人生に向き合い始める。


深く感情移入し過ぎたのかぼろぼろと泣きながら鑑賞。
隣に座っていた女性記者も泣いていたけれど、
涙を拭う回数も、鼻をすする回数も僕の方が多かった。
木村監督が今回の作品で表現した小屋番の姿に深い愛情を感じる場面が多々あり、
そういう箇所にもいちいち引っかかって涙腺が緩む。

映画を観ながら自分の体験や聞いた話などを思い出したり、
登場人物に知人・友人の面影を重ねたり。
映画に集中しているはずなのに並行していろいろな考えや思いが駆け巡った。

予報通り急に降り出した雨に濡れながら走って帰宅。
家に戻って一息ついてもなかなか余韻が冷めず、
しばらくぼうっと過ごす。
山の家業に入る直前にこの映画を試写会で鑑賞できるという体験は、
想像していたよりもずっと大きな衝撃をもたらした。

「人は皆、何かを背負って生きていくしかない」
監督が映画に込めた人生哲学がじんわりとした熱をもって体の芯に残る。
背負うことを覚悟した人間は格好良くて清々しい。

公開されたらまた見に行こうと思う。
新しいステージに立った心境で自分の心にどう響くかが楽しみです。