2014.12.26

いよいよ年末年始の雰囲気が漂ってきた。
リハビリの仕事をしていた頃は、
『正月休み』という言葉が心を穏やかにさせていたけれど、
小屋番になってから世間の連休が心をざわつかせるようになった。

学生時代は実家で正月特番を見ながらコタツでみかん。
社会人になって大阪で過ごし始めた頃は友人たちとお酒を飲んで。
山岳会に入ってからは冬壁を登りに。
仕事を辞めた昨年はスペインでの年越し。

今までは、自分の好きなことを楽しむ時間だったけれど、
小屋番として働く今年は他者のために過ごす時間になる。
ほとんどの人が心を寛がす年末年始に
-20℃の厳しい環境に飛び込んでくる物好き方々の為に尽力することに
なかなかやり甲斐を感じている。


昨日の歩荷はグレープフルーツ、白菜、りんごで計48kg
重かったけれど体の調子も良く、
りんごの箱から漂う甘い香りを嗅ぎながら歩いた。

今日は冷凍された魚、計40kg
発泡スチロールがかさばり、
重さの割には仰々しい荷物になった。
登山道に張り出した木の枝が荷物を引っ掻き、
不快な音を立てる。
4日連続の歩荷なのも相まって、
昨日よりも足取りが重かったように感じる。

昨年はヘリがなかなか飛べずに、
40kg歩荷×2往復が5日続いたと聞いた。
朝の掃除の時間にそんな苦労話を嬉しそうに話す先輩スタッフたち。
大変だったことを慈しむような話ぶりが心地よい。

本当なら今日から行者小屋に入る予定だったけれど、
歩荷&アイスキャンディ整備のために今日は鉱泉ステイ。
明日から忙しくなりそうな予約状況、
ひと頑張りしてきます。


鉱泉に入った時に、
「沖田くん、手紙預かってるよ」
と社長から封筒を手渡される。
槍ヶ岳の談話室でお会いした女の子とそのご両親からのお手紙。

自分のささいな関わりを、
こう大事にしてもらえているというのは格別うれしい。


行者小屋は赤岳鉱泉より寒さが厳しいらしい。
差し入れに頂いたカイロ、
ありがたく使わせてもらいます!